チャリティーオークション【Place in my heart】展

チャリティーオークション【Place in my heart】展

【会場】ポーラ ミュージアム アネックス/銀座
【期間】2024年11月8日(金)-12月1日(日)
【主催】株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
【出展作家】イイノナホ、今井昌代、岩田俊彦、柏原由佳、鬼頭健吾、鈴木ヒラク、竹村京、舘鼻則孝、津上みゆき、中村弘峰、中村萌、流麻二果、西島雄志、野口哲哉、ヒグチユウコ、福井利佐、増田セバスチャン、水野里奈、ミヤケマイ、横溝美由紀、Ryu Itadani、渡辺おさむ(五十音順)

「ふるさと、故郷、HOME」をテーマに彫刻とドローイングを出展。
彫刻の方はサイレントオークションで、ドローイングは抽選販売。
どちらも販売収益の全てが能登半島地震の支援として寄付されました。
今回の展示に向けて公開している文章です。
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横浜の新興住宅地で生まれ育った私にとって「故郷」とは、母の実家などの田舎と同義でした。
そんな私は 3 年前より群馬県中之条町に移住し、昨年より古民家を自分で改装しながら生活しています。まさに「故郷」のような場での生活を始めたのです。
改装の際、古い襖が破けてしまったのですが、その内部から明治時代の新聞が出てきました。
昔は襖を作る際に下地に新聞を貼り込んでいたのです。
その新聞には日清戦争などの記事が掲載されていて、急にこの建物の中の当時の「記憶」や「気配」に触れた気がして、煤で黒くなった柱や壁のちょっとした傷などにも、ただならぬ「時間」の積み重ねを感じました。
東京ではスクラップ &ビルドでそういった「気配」に出会うことが少なかったので、この時間のスピード感の違いが「故郷」というものを際立たせて感じさせるのだと思います。
昨今、開発や災害により古き良き建物や風習が失われているのを見て、「記憶」や「気配」も失われていくことに複雑な気持ちになります。
私なりにそういったものに光を当て、「記憶」と「気配」を刻み込んで次世代に繋いでいきたいと思います。
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photo:cPOLA MUSEUM ANNEX